同じ宿で一週間過ごすと決めたことで、こころがホッとしたのか気が緩む。
そうしたら、なんだか寂しさがこみ上げてきた。『夫や長男と一緒に過ごしたいな』とか『名古屋や長久手のみんなはどうしてるかな』とか。何より、毎日のように
「帰りたーい!」
と次郎や花子のどちらかが言う言葉に、なんだか虚しさが募ったり。
仕方ないから、この何とも言えない寂しさを感じておく。
今日は、近所の公園に遊びに行った。こんな何でもない普通の遊具で2人は楽しそう。
帰りにアイスクリームやお菓子を買ってベンチで食べる。宮古島じゃなくてもいい日常に苦笑い。でも安心する。それから宿に帰ってきてビーチに行く。次郎は宿にいると言い、花子は行くと言う。花子と二人乗り自転車で出かける。1番有名なビーチ。さすがに人がいた。私は海に入り、花子は砂場で遊ぶ。沈む夕陽がいつ見てもキレイ。
私は何を期待してココに来たんだろう。毎日、三食作って、ダラダラ過ごす。長久手で同じような生活はできたんじゃない?
できたんだろう。でも、旅に行くというテイが大事だっだのかもしれない。
キレイな海に何を求めていたんだろう?
海は何も答えてくれない。ただ、圧倒的な美しさで私を包み込む。
もう、何でもいい。
そう、思い出した。不安のなかに希望が湧きおこる。寂しさの隙間に優しさが流れ込む。闇に光が射し込むように、いま、私はその光を眺めているんだ。思っていたより眩しくて、しっかりと見つめられない。
ただ、光はずっと、そこにある。
おウチに帰りたーい!さみし〜よ!みんなに会いたいよー!
よっし!これで旅が続けられる。この大きな心の動きにどこまでも素直に生きていく。しなやかにたくましく、生きる。自分の弱さを受け止め可愛がりながら・・・。
というわけで、やっと、旅が始まったような気がしている。