握りしめていた期待と不安を少しづつ、解き放つ。自分の抱いていた理想像を打ち砕きながら。
しっかり落ち込むと、だいぶ、気持ちよくなる。そして事故の件で、だれも私を責めずに「ケガがなくて良かった」と許してくれる温かさに感謝しかなかった。今までうまくやってた風に生きてきたハリボテがボロボロと剥がれていく。
ちょっと元気になった私は、自分のために服とアクセサリーを買った。
そう、今を生きる。
何度も目にしてきたフレーズが、すっと心に響く。その時なんだか気が済んで『家に帰ろう』って思ったんだ。そして、そこからが奇跡的に幸福だった。
帰ると決め、期限がはっきりしたら急に旅の輪郭がハッキリしてきた。ダラダラしてても海に行ってもなんだか気持ち良かった。いや、今までも海にいる時はいつでも、気持ち良かったな。ここへきてやっと、何にもしていない時間を愛おしく思えた。
このあたり、最高に満たされた気持ちで過ごしていた。
宮古島で、自分と向き合った。だれにも文句のつけようがない状況で、自分が自分を縛っていたことに気がつく。自分で縛っているのに「自由になりて〜!!」って叫び続けていたんだろう。
自作自演。
私はいつでもどこでも自由だ。不幸を選ぶことも、幸福を選ぶことも。